벤허

추억의 영화--

벤허(Ben-Hur)

 

↑ 「벤허(ベン・ハー, Ben-Hur」중의 파워풀 신(Powerful Scene)

 

ベン・ハー　1959・米
製作：サム・ジンバリスト 監督：윌리암 와일러           (ウィリアム・ワイラー) 原作：ルー・ウォレス 脚本：カール・タンバーグ 美術：ウィリアム・Ａ・ホーニング 衣裳：エリザベス・ハフェンデン 撮影：ロバート・サーティース 　　　　ハロルド・Ｅ・ウェルマン 　　　　ピエトロ・ポートルーピ 音楽：ミクロス・ローザ 出演：챨톤 헤스톤         (チャールトン・ヘストン) 　　　 잭 호킨스            (ジャック・ホーキンス) 　　　 휴 그리피스            (ヒュー・グリフィス) 　　   스티븐 보이드            (スティーブン・ボイド) 　　ハイヤ･ハラリート 　　マーサ・スコット 　　キャシー・オドネル 　　サム・ジャフェ 　　フィンレイ・カリー 　　フランク・スリング 　　アディ・バーバー	物語 ある晴れ渡ったエルサレムの夜空、ひときわ明るく輝く星があった。東方から遥々やって来た３人の賢人たちもその星を見上げていた。やがて、その星の下に示された粗末な厩で一人の男児が誕生した。 イエス・キリストの誕生であった。３人の賢人も貢物を奉げひれ伏した。 紀元２６年、ナザレの村をローマ軍の一行が通り、エルサレムに向かっていた。大工のヨセフは仕事に専念し、そこに青年に成長したヨセフの息子キリストの姿もあった。 ローマの大軍を率いてエルサレムのアントニヤ城に入ったのは新任の司令官メッサラ（スティーブン・ボイド）だった。 さっそくメッサラの新任を祝いに駆けつけたのは、かっての幼友達のユダヤの王族ハー家の長男ジュダ・ベン・ハー（チャールトン・ヘストン）である。 二人は力強く抱擁し合い、ワインを飲み交わす。武器庫の梁を目掛けて槍投げの腕を競う二人。二人の腕前は相変わらずだった。二人の槍は十字に交わった梁の中心に突き立った。 翌日、メッサラはベン・ハーの屋敷を訪れた。ベン・ハーの母ミリアム（マーサ・スコット）、妹ティルザ（キャシー・オドネル）もメッサラを暖かく迎えた。 ローマ皇帝からユダヤの支配強化を命じられたメッサラは、ベン・ハーの影響力を利用しようとした。 メッサラはベン・ハーに反抗者を密告するように迫るがベン・ハーは断固として拒否するのだった。ベン・ハーに協力を拒否されたメッサラは怒りの表情を露わに立ち去った。 ハー家の昔から仕えている奴隷、シモニデス（サム・ジャフェ）が一人娘のエスター（ハイヤ・ハラリート）を連れ挨拶に訪れた。エスターが嫁入りすることになったため、挨拶にやって来たのだ。ベン・ハーは彼らを奴隷としてではなく友人として待遇した。ベン・ハーは久しぶりに再会したエスターが美しく成長しているのを見て複雑な心境であった。 新任のグラトゥス総督がローマの部隊を引き連れエルサレムに入った。ユダヤ人たちが見守る中、一行はハー家の通りに進行して来た。バン・ハーと妹のティルザは屋上から身を乗り出して一行を眺めていた。 グラトゥス総督の馬が真下に来たその時、ティルザが触れた瓦が外れて滑り落ち、総督の馬の近くで砕けた。馬が驚いて暴れ、総督は振り落とされた。 騒然となったハー家にメッサラが兵隊を引き連れ乗り込んできた。故意ではなく、事故なのは明白であったが、メッサラはベン・ハー一家３人を逮捕した。総督暗殺未遂容疑であった。メッサラはベン・ハーの無実の訴えに聞く耳を持たなかった。 「俺だって頼んだぞ！」　メッサラは先日のベン・ハーの拒否に仕返ししたのである。 ベン・ハーはガレー船送りになった。一旦ガレー船に送られれば生きて帰ることは不可能に近い。母と妹は地下牢に閉じ込められた。 ガレー船に乗る罪人の列にベン・ハーの姿がある。裸足の彼らは鎖に繋がれ、タイアに向かう。咽喉の渇きに倒れていく罪人たち。 彼らがナザレの地に来た時、倒れ付したベン・ハーに近づき水を差し伸べた人物がいた。ベン・ハーはしばしその水を天の恵みの如くむさぼった。 それに気付いた護衛隊長が鞭を飛ばしたが、その人物の顔を直視できなかった。何故か漂う威厳のためであろうか。その人物こそイエス・キリストであった。 ３年後、ローマのガレー船で奴隷たちが漕手長の槌音に合わせ、オールを漕ぐ。足を鎖に繋がれ、見張り人から鞭が飛ぶ。総勢１２０名の漕ぎ手の中にベン・ハーの姿がある。普通は１年持てばいいほうだが、ベン・ハーは３年も苛酷な労役に耐えてきた。彼の生きる源はメッサラに対する復讐心である。 クイントス・アリウス提督（ジャック・ホーキンス）は不屈の顔つきのベン・ハーを何かと気にかけた。 近海を荒らしまわっている海賊船を発見、たちまち海戦となった。アリウス提督はベン・ハーの足枷を外させた。凄まじい海戦の最中、ベン・ハーは他の奴隷の鎖を外していく。アリウス提督を狙う敵をベン・ハーの槍が救った。 敵の船もローマの船も大破し、ベン・ハーとアリウス提督だけが破片の上に浮かんでいる。 そこへ通りかかったのはローマの軍艦だった。聞けばアリウスの船は大勝利だったのである。 アリウス提督のローマ凱旋。４頭立ての馬車にはアリウスの横にベン・ハーが乗っている。沿道を埋め尽くす大衆。ローマ皇帝はアリウスに勝利のバトンを手渡した。 そして、ベン・ハーは奴隷の身分から解放され、なんとアリウスの養子として迎えられたのである。それから一年余、ベン・ハーは戦車競争の騎手として名を馳せるようになった。 だが常にベン・ハーの心を悩ませるのは遥か祖国の母と妹の安否である。 アリウスはそんなベン・ハーの気持ちを理解していた。そしてベン・ハーの祖国帰りを許した。 ４年ぶりに祖国の地を踏むベン・ハー。椰子の木陰で休息するベン・ハーに近づいて来た人物がいた。このエジプト人バルタザール（フィンレイ・カリー）こそ、キリスト誕生の時、厩に訪れた３人の賢人のうちの一人であった。 彼は成人した筈のキリストを探す為、再びイスラエルの地に来ていたのだが、ベン・ハーをひと目見てもしやと思い話し掛けてきたのだった。 バルタザールは客人としてアラブの族長イルデリム（ヒュー・グリフィス）のテントに世話になっていた。イルデリムは近々エルサレムで行われる戦車競争に出場させる為、馬の調教をしていた。そしてベン・ハーがローマで戦車競争の騎手をしていたと知ると、自分のテントに招き、騎手として出場して欲しいと依頼するのだった。そこでベン・ハーはその競技にメッサラが出場することを知った。 だがベン・ハーには母と妹を探し出すことの方が先決であった。 族長の申し出を断りベン・ハーは一路エルサレムに向かった。 すっかり荒れ果てた我が家。そこにエスターがいるのを見て驚くベン・ハー。エスターもベン・ハーが生きて帰ったので驚く。 エスターは父親のシモニデスがメッサラに捕らえられ激しい拷問を受け、半身不随になってしまったので、結婚を諦め屋敷に留まって３人の帰りを待っていたのである。 母と妹の消息は依然不明であった。 ベン・ハーはアントニヤ城のメッサラのもとへ単身乗り込んだ。ローマのアリウス２世としてであった。まさか？と幽霊でも見るようなメッサラにベン・ハーは言う。 「母と妹をすぐに探し出せ！無事だったら復讐は忘れてやる」 メッサラはミリアムとティルザのことなどすっかり忘れていた。部下に命じ地下牢を調べると二人は辛うじて生きていたが、なんと業病のライに侵されていた。 業病の谷に送られる二人は、ひと目我が家を見ようとハー家に立ち寄った。そこでエスターに見つかり、ジュダ・ベン・ハーにだけは業病のことは黙っていて欲しいと懇願するのだった。 エスターは二人の心中を察し、約束した。そして、ベン・ハーに二人は牢内で死んでしまったと嘘をつくのである。ベン・ハーは悲嘆に暮れ屋敷を飛び出して行く。 数日後、アラブの族長イルデリムがメッサラのもとを訪れた。戦車競争にアリウス２世であるベン・ハーが出場することを伝え、賭けを持ちかけた。金額は1000タラント、掛け率は4対1。もしメッサラが負けた場合、メッサラは確実に破産の憂き目にあう。だが、戦う相手がベン・ハーと知ったメッサラはこの賭けに乗ったのである。 競技場は数万の観衆で沸き返っていた。戦車競争に出場するのは９チームである。それぞれコスチュームに身を包み、4頭立ての馬車に乗り込む。ベン・ハーとメッサラの姿もある。メッサラのギリシャ式馬車の車輪には鋭い刃物が付けられていた。 ピラト総督（フランク・スリング）の合図でいざ、戦闘の幕が切って落とされた。 一周４６０メートルのトラックを１０周するのである。メッサラは幅寄せし、車輪の刃物で相手の車輪を粉砕していく。次々と脱落していく戦車。大地に叩きつけられる騎手。落ちた騎手に突進する戦車。ベン・ハーの戦車も脱落した戦車に突進し、ベン・ハーは空中に身を躍らせたが必死にかじり付き身を建て直した。 メッサラの鞭がベン・ハーに襲い掛かった。車輪の刃物がベン・ハーの車輪を削りだした。ベン・ハーが逆に鞭を掴み応酬していると、メッサラの車輪がぶっ飛びメッサラが振り落とされた。馬に引きずられるメッサラの上を後続の馬車が踏みつけていく。 ベン・ハーは一番でゴールした。観衆が大歓声をあげ競技場になだれ込んで来た。族長イルデリムは狂喜した。 メッサラは全身血まみれで手術台の上に運ばれていた。片足をすぐに切断しなければ命はない。だが、メッサラは頑なに拒否した。ベン・ハーにみっとみない姿を見せる訳にはいかないのだ。 果たしてそこへベン・ハーが現れた。そして、メッサラは最後の力を振り絞って言った。 「まだ勝負は終わってないぞ・・・お前の母親と妹は生きている・・・業病の谷にな・・・見分けがつくかな・・・」　ベン・ハーを悲嘆の底に突き落としメッサラは息を引き取った。 業病の谷。世間から見放されたライ患者たちは洞窟の暗い中でひっそりと死を待つだけの毎日を送っている。ベン・ハーは母と妹を探しに業病の谷へやって来た。谷底へ降りていくと、そこにエスターがいた。ミリアムとティルザに食料を持って来たのだ。 ベン・ハーはエスターを問い詰めた。何故嘘をついたのかと。その時、洞窟の中からミリアムとティルザが出てきた。とっさに岩陰に身を隠すベン・ハー。 母親がエスターに息子の様子を尋ねる声がベン・ハーの心を掻き毟る。メッサラの言葉は本当だった。ベン・ハーは声を殺してむせび泣いた。 業病の谷からの帰途、丘の上に向かい人々が歩いて行くのを見た。丘に一人の男が立っていた。エジプト人のバルタザールがベン・ハーを見つけ近づいた。 「とうとうあの方を見つけましたよ。間違いなく神の御子です」　バルタザールは満面に喜びをたたえ、ベン・ハーを誘った。だが、打ちひしがれていた彼にはそんな余裕はない。ベン・ハーはピラト総督の官邸へ急いだ。 分かれたエスターは丘の上でキリストを見上げていた。エスターの顔も人々の顔も何故か晴れやかな表情だった。 ベン・ハーは官邸でピラト総督に会った。この総督はアリウスの友人でもあり、ローマでベン・ハーも義父から紹介されたことがある。 だが、今やベン・ハーはローマの全てが憎い。母と妹を不幸のどん底に突き落とし、あのメッサラとてローマの犠牲になったのだと、ピラト総督に怒りをぶつけた。 「この指輪を父上にお返しください」　ベン・ハーはアリウスから授かった指輪を外した。 「・・・後悔するぞ・・・」　そう言うピラト総督にベン・ハーは叫ぶ。 「私はアリウス２世ではなく、ユダヤ人のジュダ・ベン・ハーです！」 帰宅したベン・ハーを迎えたエスターは、彼の復讐心に燃えた顔色を見て言う。 「貴方の顔は憎しみで一杯、まるでメッサラが乗り移ったように・・・憎しみは毒です。でも愛は憎しみより強いと私は信じますわ」 その言葉を聞いたベン・ハーはハッとする。 丘の上のキリストの慈愛に満ちた説教を聞いたエスターは、ミリアムとティルザにも聞かせたいと思う。翌日、業病の谷へ来たエスターの後からベン・ハーもやって来た。 母ミリアムを抱き締めるベン・ハー。ティルザに死期が近づいている。洞窟の中からティルザを抱き上げてきたベン・ハーたちはエルサレムへ向かった。街で気付いた人々は、業病人だと叫び石を投げた。 その頃、ピラト官邸の広場では、キリストの反逆罪裁判が行われ、死刑の宣告がされた後だった。十字架を背負ったキリストがエルサレムの街路を歩んでいく。 ベン・ハーたちは目の前をキリストが歩むのを見ていた。ベン・ハーはキリストの顔を見て、この人物こそガレー船に運ばれる途中、自分に水を恵んでくれた人だと知るのである。 キリストの血に染まった裸足がおぼつかなく、石段でつまずく。ベン・ハーはとっさに近くの水場から柄杓に水を汲み、キリストに差し出した。キリストは水を飲みながらベン・ハーと対面した。その瞬間、役人の鞭が飛んできた。 ゴルゴダの丘で磔にされるキリスト。その時、風雲俄かに掻き曇り、当たり一面暗くなった。周りから見つめる人々の中にバルタザールの姿もある。 やっと見つけ出した人物がこのような最後を迎えようとはとても信じ難い。 キリストの肉体から流れた出た血が大地に染み渡り、小川に混ざる。その血は全世界に伝播していくごとくであった。 雷鳴が轟く。突然の豪雨。洞窟に身を寄せたエスター、ミリアム、ティルザの３人。 「あの方が亡くなったのだわ」　はっきりとそれは感じられた。瞬間、ミリアムとティルザの体に激しい痛みが！エスターは見た。稲光に照らされたミリアムとティルザの顔を！二人の顔や手からはライの爛れが取り払われ、元の姿になっているのを！この時、まさに奇跡が起きたのだった。 お互いの顔を見、打ち震える感動と喜びに抱き合う3人。 キリストの死を見届けたベン・ハーが帰宅すると、出迎えたエスターが指差した２階に母と妹の姿があった。階段を昇るベン・ハーの心からは、あらゆる憎しみの感情が消え失せていた。親子、兄妹がしっかり抱き合った。
	映画館主から 当時５４億円という巨費を投じ、構想１０年、製作期間６年半の歳月を掛けて製作された一大スペクタクル巨編。 ローマ帝国下のエルサレムの豪族ハー家の長男、ベン・ハーを巡る友情、恋、裏切り、冤罪、復讐、戦闘、絶望、奇跡、希望、と、あらゆる要素を３時間４０分を超えるドラマの中にあまねく盛り込んだ叙事詩。 私が高校生の時、初めて見た時のポスターのキャッチフレーズは『生涯忘れ得ぬ感動！！』となっていました。これはまったく真実で、私が今まで見た映画の最高峰となっています。恐らくこれを超える作品には巡り合えないと思います。 映画館ではリバイバルされる度に７回見たのを記憶しています。テレビ放映、ビデオ鑑賞を入れると何回見たことでしょうか。その度に新しい発見があり、最初に見た時の感動はまったく薄れていません。 アカデミー賞は、作品、監督、主演男優（チャールトン・ヘストン）、助演男優（ヒュー・グリフィス）、撮影、美術監督、衣裳デザイン、劇音楽、音響、編集、特殊効果と１１部門に及び、過去最多受賞となりました。 近年の「タイタニック」や「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」もアカデミー賞の獲得数１１部門という点では肩を並べましたが、私の好みから言えば絶対に「ベン・ハー」が勝ります。 高校生の時、映画を見た後、ルー・ウォレスの原作も読みました。映画も原作にほゞ忠実でした。副題に「キリストの物語」とあるように、キリストの一生がベン・ハーの波乱の半生と平行して描かれています。そしてキリストの存在がドラマに大きく関わってくるのです。 私はキリスト教徒ではありませんが、もしそうであったら、この映画の感動はより深いものであったろうと思われてなりません。 しかし、ワイラー監督は原作の宗教色をできるだけ強調せず万国に向くように努力したようです。 私がこの「ベン・ハー」で好む場面は、一番目、ベン・ハーがガレー船送りになり、タイアへ向かう死の行進場面から一転してガレー船の槌音の船内に変るところ。二番目、有名な戦車競争の１５分。この１５分は映画史上最もスリリングな１５分と言われています。３番目が、キリスト処刑の直後、キリストの血が小川に入り、流れて行くところをカメラが後退しながら捉えた場面です。この場面にベン・ハーのテーマ音楽がかぶさる心ときめく瞬間です。 「近松座」のベン・ハーのBGMは「大いなる西部」「駅馬車」「七人の侍」「羅生門」でもお世話になっているMIDI作者、大文字様の力作です。ミクロス・ローザの代表傑作を見事にMIDI化して頂きました。心より御礼申し上げます。大文字様のサイトへは映画館トップページ下の　から訪問してください。 ■映画の中に登場するライ病は、現在ではハンセン氏病と呼ばれていて不治の病ではありません。 参考文献：「テアトル東京」封切り時パンフレット 　　　　　　　「週刊２０世紀シネマ館NO.4」講談社
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